恋の居場所 #59(妄想小説…二宮和也)
陽菜 「そんなことないよ!」
和也 「イヤ………あるでしょ!
じゃあ俺もさ、陽菜の事………怒らせていい?」
陽菜 「え……………なに………?」
和也 「瞳ちゃんってさ……………すっげぇ、かわいいよね。」
ドクン………私の胸が、苦しくなった。
私は、持っていたバッグをギュッと握りしめた。
和也 「今………どんな気分?」
陽菜 「え………。すごく……………イヤ………」
和也 「その気持ち………今の俺と一緒………。」
陽菜 「かず……く……ん……………」
和也 「キ―ホルダ―………取ってよ。」
陽菜 「………わかった。 戻ったら、取るね。」
和也 「因みに、さっきの嘘だから………」
陽菜 「えっ? さっきの………?」
和也 「瞳ちゃんって………かわいい!」
陽菜 「そ―なの?!」
和也 「うん。 俺にとって、かわいいのは陽菜しかいないよ。」
陽菜 「/////////////」
そして私たちは、やっと車を出発させた。
近くのス―パ―に着き、肉…野菜など、
カゴの中に入れていく。
和也 「酒もいるよな?」
陽菜 「うん、みんな飲むんじゃない?」
和也 「陽菜は、あんま飲むなよ………」
陽菜 「大丈夫………でも、もしもの時は、止めてね?」
和也 「はいはい、わかったよ………」
そ―言って私の頭をポンポンとした。
一通り買って、私たちは車に乗った。
でも………一向に、エンジンをかけない和くん。
陽菜 「………行かないの?」
和也 「………なぁ………このまま戻る?」
陽菜 「うん、潤くんも瞳ちゃんも 待ってるでしょ?」
和也 「………運転してんの俺なんだけど?」
陽菜 「え、わかってるよ。」
和也 「ふふ………このまま俺次第で、どこでも行けるってこと。」
陽菜 「ええっ! イヤ、戻らないと………」
和也 「さて………どうしよっかな?」
ニヤッとする和くん。
陽菜 「………もど……ろうよ………?」
和也 「陽菜は、なんでそんな早く戻りたいの?」
陽菜 「………だって、待ってんじゃん………。」
和也 「潤が……………?」
陽菜 「うん、潤くんと瞳ちゃんね………。」
和也 「俺は………まだ戻りたくないな―。」
陽菜 「えっ……………」
すると、和くんが助手席に近寄ってきて、
私の手を握り、唇を重ねてきた。
ゆっくり目を閉じ、唇から和くんの温度を感じる。
そして私は、開放された。
和くんは、エンジンをかけ、車を走らせた。
和也 「………行こっか………」
陽菜 「うん……………」
ただ………唇と唇が触れただけなのに、
もっと欲しくなる………
和くんに触れたくて。
車は………止まることなく、あの家に戻って行く。
さっき和くんが言った………戻りたくないな。
あの言葉が、頭をよぎった。
私もまだ………戻りたくない。
……………運転してる和くんの腕をそっと上から掴んだ。
陽菜 「……………まだ………帰りたくない……………」
つづく