恋の居場所 #20(妄想小説…二宮和也)

潤   「………陽菜、酔ってる?」
陽菜  「ううん………。 大丈夫だよ。」
潤   「そお? でも………隣に行っていい………………………?」
陽菜  「ん? 別にいいよ………」

そ―言うと、向かい側から、横に移動してきた。

潤   「やっぱ、こっからの方がいいや。」
陽菜  「え………? 何が………?」
潤   「陽菜の顔が………よく見える。」
陽菜  「え………? 私の顔なら、いつでも見してあげるよ―。」
潤   「じゃあ……………よく、見せてよ。」

潤くんの顔が、ゆっくりと………ゆっくりと近づいて来て、

鼻が触れそうになる寸前で止まる。

うう………近っ………

潤   「逃げないの………?」
陽菜  「え………?」
潤   「止めなくていいの?」
陽菜  「あ………ああ………ダメダメ………」

私は、潤くんの両肩を掴んで、ゆっくり元の位置に戻した。

潤   「陽菜………。 次は、止めないよ。
    ちゃんと自分で、逃げろよ。」

え………? 次もあるの………?

ん?  なんかのゲ―ムか………?

陽菜  「うん。 わかった、逃げるよ。」

隣に座ってる潤くんが、こっちを見た。

潤   「陽菜ってさ―、 もてるでしょ?」
陽菜  「え………、何言ってんの? 私には、彼がいますから………」
潤   「………彼は今、関係ないでしょ………。 もてるっしょ?」
陽菜  「なんで? もてないよ………」
潤   「フ―ン。 気付いてないだけか………」
陽菜  「それを言うなら、潤くんでしょ―。」
潤   「ええ? おれ?」
陽菜  「かっこよくて、優しくて、仕事できて………完璧じゃん………」
潤   「そお? でも………好きな人に好きになってもらえないと
    そんなの、意味ねぇ―し。」
陽菜  「え………。 潤くん、好きな人、いたの?」
潤   「うん、いるよ。 でも、教えないよ。」
陽菜  「ええ……。教えてくれないの?」
潤   「陽菜には………教えたくない………」
陽菜  「もぉ―、ケチ――。」
潤   「どっちがケチだよ………」

そ―言うと、また潤くんが近づいてきた………

あ………これは、逃げないと………

私は、後ろに下がった………

え………まだ寄ってくるじゃん。

陽菜  「じゅ………潤くん…………?」
潤   「ふふ。 ビビった?」
陽菜  「うん………」
潤   「キスでも、されると思った?」
陽菜  「うん…………。 あ、イヤ………そんなことはない………」
潤   「え………、そ―思わなかったの………?」
陽菜  「うん! 思わない、思わない………全然………」

私、なに焦ってんのよ………。

彼氏いる相手に………するわけないじゃん。

潤   「同僚とキス………………………してみる………………?」

                  つづく

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