恋の居場所 #78(妄想小説…二宮和也)

潤   「そ―だよ………。 また毎日顔、合わすんだよね………。」
陽菜  「………そ―だよね………」
潤   「こんなんじゃ……忘れらんないよ………。だからさ………」
陽菜  「え………、な……に………?」
潤   「俺、会社………辞めようと思う。」
陽菜  「ええ………そこまでしなくても………」
潤   「じゃあ、忘れらんないよ?」
陽菜  「………………」
和也  「………じゃあ、陽菜が辞める?」
陽菜  「ええっ! 私が………?」
和也  「イヤなの………?」
陽菜  「イヤっていうか………、仕事………」
和也  「仕事………辞めろよ……………」
陽菜  「………」
潤   「イヤ、陽菜が辞めることないよ。」
陽菜  「でも、私のせいで潤くんが辞めるのも………」
和也  「陽菜………。 辞めろよ。」
陽菜  「……………。続けるのは、ダメ?」
和也  「………ダメ。」
陽菜  「………、………わかった、辞めるよ。」
潤   「陽菜………。本気………?」
陽菜  「う……ん。 私、辞めるよ。 それが一番いい方法だね。」

大学卒業して初めて働いて、

この仕事、すっごく楽しかったんだけどな。

仕方ないよね………。

仕事より……………大事な物がある。

陽菜  「じゃあ、取りあえず明日会社で……………。
    送ってくれてありがとう。」
和也  「………まっ、サンキュ―。」
潤   「あぁ、明日………。和……………また………」
和也  「またって………また会うのかよ?」
潤   「……………そうだな………。」

そして、潤くんは車を走らせた。

私たちも荷物を持って、玄関の扉を開ける。

靴を脱いで、荷物を運んでると、

和くんが後ろから抱きしめて来た。

え……………!

和也  「………マジで、辞めろよ。」
陽菜  「え、会社のこと………?」
和也  「………他に何があんだよ………」
陽菜  「…………うん……。」
和也  「あ―あ……………。終わったな、旅行。」
陽菜  「うん、終わっちゃったね………。
    あ、明日は仕事?」
和也  「うん………。 ヤダな………。」
陽菜  「お互い、仕事か……………」
和也  「あ、俺の荷物………取りあえず置いといて。」
陽菜  「うん、わかった………」
和也  「さ――て、寝ますか………?」
陽菜  「えっ、私シャワ―浴びたい。だから先、寝てて。」
和也  「………俺も一緒に、はいろっかな―。」
陽菜  「イヤ、私1人で入るよ。ササッと済ませるから。」
和也  「………今の俺は、陽菜の言うこと、聞いてやれない。」
陽菜  「え、なんでよ……………」

そ―言うと、私を回転させ、和くんと向かい合う。

和くんの指が、私の唇に触れ、

和也  「ここ……………。 誰かが触れたよね?」
陽菜  「………」

その手は、首筋へとうつった。

和也  「ここも……………。 誰かが触れたよね?」

その手は……………服の中に入ってきた。

和也  「ここもだよな……………」

そ―言った表情が、少し………悲しげだった。

その顔とは裏腹に、そのまま私のシャツをめくり上げ、

顔を埋めてきた。

陽菜  「ちょっと、和くん………。 シャワ―………」
和也  「………さっき、言うこと聞けないって言ったよな。」

何かに火がついたように、和くんは私を求めてきた。

           つづく

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