恋の居場所 #81(妄想小説…二宮和也)

陽菜  「そ―なの? でも………ホント狭いよ。」
和也  「じゃあ……………陽菜が俺んちに引っ越してくる?」
陽菜  「えっ! 瞳ちゃんちの隣に?」
和也  「うん、だって………狭いの嫌なんでしょ?」
陽菜  「まぁ………狭すぎるかなって………」
和也  「それだったら、俺んちの方が広いし……………
    瞳ちゃん……………監視できるし?」
陽菜  「監視って………………」
和也  「ダメならど―すっかな――。」
陽菜  「んっ……………、ちょっと考えとくよ。
    取りあえず、お互い会社行かなくちゃ………」
和也  「おう、わかった………。 今日、泊まりに来る?」
陽菜  「え………。 さっき、行かないって言ったじゃん。」
和也  「あっ、そ―。」
陽菜  「な―に―? 来て欲しかったの―?」

私はニヤニヤしながら、和くんの顔を覗き込んだ。

少し照れたような顔をして、

和也  「うん………来て欲しかった………」
陽菜  「えっ!」

なに………? やけに素直じゃない。

そんなこと言われたら、ど―したらいいのか………。

和也  「でもいいよ。 無理には言わないから。
    陽菜が来たくなったら、来てよ。」
陽菜  「う……ん……。 行きたくなったら、行くよ。」

そして、私たちはここで別れて、会社へ向かった。

なんか、和くんが素直だと………調子狂うな。

いつもと違うと、ドキドキが倍増するじゃんか。

そんなことを考えてると、会社の前に着いた。

はぁ………今日で、ここに来るのは最後か………。

私は、ビルを眺めた。

「………おはよう。」

ボ―っと、してると後ろから声を掛けられた。

潤くんだった………。

潤くんとも………今日で、お別れだね………。

陽菜  「潤くん、おはよう………」
潤   「今日は、最後までいるでしょ?」
陽菜  「うん、一応そのつもり………。」
潤   「………がんばるぞ。」
陽菜  「うん。 でも………寂しいな………」
潤   「………俺の方が、寂しいんだからな。」

あっ……………そうかっ。

陽菜  「よし、最後………がんばろう。」

私たちは、会社の中へ入り、私は部長の元へ行った。

コンコン………

中へ入ると私は、辞表と書かれた封筒を渡した。

陽菜  「今日で、辞めさせてください。」
部   「………片山さんが、辞めるのはもったいないな―。」
陽菜  「あ、でも………辞めさせてください。」
部   「すごく真面目で、しっかり仕事してくれてたのにな―。」
陽菜  「あ…ありがとうございます。」
部   「ん――、他の場所でも無理かな?」
陽菜  「え………他の場所とは………?」
部   「………勤務場所が変わっても無理か?」
陽菜  「え………あ、ここじゃなくてですか?」
部   「ああ………つまり、転勤だ。」
陽菜  「てん……き……ん…………ですか………。」
部   「ん―、場所は………ここから2時間ほどのとこだが。」
陽菜  「2時間ですか……………」

行けない距離じゃないか……………。

ちょっと、ちょっとだけ遠くなるくらい………かな?

陽菜  「返事は、今じゃなきゃダメですか?」
部   「ああ、出来れば今がいいな―。」

和くんに確認したいけど……………

でも、潤くんがいないんだったら、大丈夫かな?!

仕事もしないと、生活出来ないし……………

陽菜  「わかりました。 転勤します………。」
部   「お、助かるな―。 じゃあ、
    片山さん 明日から行けるかな?」
陽菜  「あ、はい………。」
部   「じゃあ、地図 渡しておくよ。
    詳しいことは、明日向こうで聞いてくれ。」
陽菜  「はい、わかりました。」

そして、私は部屋を出た。

私……………転勤することに なったんだよね………………

         つづく

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