恋の居場所 #84 最終回 (妄想小説…二宮和也)

和也  「じゃあ俺……………仕事やめっかな―?!」
陽菜  「ええ、それはダメだよ。 何言ってんのよ。」
和也  「でも、………このまま離れたら俺……………無理だわ………」
陽菜  「え………、無理って………ど―ゆ―こと?」
和也  「何ビビってんだよ。 会わないなんて、無理だってことだよ。」
陽菜  「あ………ビックリした。」
和也  「別れるって………言うとでも思った?」
陽菜  「う……うん…………。」
和也  「ふふ………っなわけねぇ―じゃん。」
陽菜  「……………そっかぁ………よかった。」
和也  「ってか、マジで2時間も離れるなんてヤダよ。」
陽菜  「でも………ど―すんの?」

和くんは、私の背後に回り、そっと全身を包んだ。

陽菜  「私………いっぱい会いに行くよ。」
和也  「………俺が会いたいって言ったら、来てくれる?」
陽菜  「うん、行く!」
和也  「夜中にって言っても………?」
陽菜  「あ………う――ん、行けたら………」
和也  「やっぱり……………」

グッと和くんの腕に力が入った。

和也  「もぉ―、わかったよ。 行ってこい。」
陽菜  「え………いいの?」
和也  「いいのって………ヤダって言ってもダメだったじゃん、今。」
陽菜  「あ……………ごめん……ね。」
和也  「でもさ………向こう行ったら、また………
    俺の知らない男がいっぱいいるわけだよね?」
陽菜  「いる………かもね……………。」
和也  「それが一番、心配なんだよな……………」
陽菜  「大丈夫だよ。 私は和くんしか見えてない。」
和也  「でも、向こう行ったら………いないよ?」
陽菜  「でも……………大丈夫だよ。」
和也  「ん……………あのさ……………」
陽菜  「んっ?」
和也  「…………………後で、追っかけるわ。」
陽菜  「え………?」
和也  「だから、先に引っ越してて……………。」
陽菜  「え、あ………先って………後で来るの?」
和也  「………イヤなのかよ?」
陽菜  「ううん。 嬉しいけど………仕事とか、ど―すんの?」
和也  「………俺も転勤、頼んでみよっかな―?
    なんて……………。 俺んとこは、そんなんねぇ―からな。
    相葉さんに、送り迎えしてもらおっかな―?」
陽菜  「ふふふ……………」
和也  「なに笑ってんだよ……………」
陽菜  「ふふ、だって………そんなに私と……………いたいんだね?」
和也  「うっ、………………そ―だよ。」
陽菜  「……………うれしい。」
和也  「だって、陽菜が 大好きだからね。」
陽菜  「うん……………。 私、向こうで待ってるから。
    来るまで、毎日電話するよ。」
和也  「………声聞いて、会いたくなったら 夜中でも行くよ?」
陽菜  「うん、待ってる。」
和也  「いいの? 夜中でも………?」
陽菜  「うん。 和くんなら……………嬉しい。」

ずっと背中から聞こえていた和くんの声が、移動した。

私の前から……………直接、届いた。

和也  「なるべく早く、片付けっから………。」
陽菜  「うん……………。」

そして今度は、前から抱きしめられた。

和くんの胸に顔をうずめ、匂いを感じる。

私の大好きな匂い。

陽菜  「あっ! 和くん………この服ちょうだい?」
和也  「え、なんでこれ? 今、着てんのに………」
陽菜  「着てるから、これがいいの。
    和くんの………匂いがついてるでしょ?
    毎日、これ 抱いて寝たい………。」
和也  「………わかった………。 じゃあ、陽菜のもちょ―だい?」
陽菜  「え……………、この服? これ、気に入ってんのにな………」
和也  「………そ―じゃなくて……………こっち。」

そ―言って和くんは………私に触れてきた。

ちょうだいって………私自身………?

陽菜  「………うん……………」

明日から離れてしまうから………めいっぱい、和くんを感じよう。

……………私たちは 何度も何度も身体を重ねた。

そして翌日私は、新しい職場へ行った。

引っ越し先も決め、荷物も送った。

この部屋は、前の家より少し広い。

新しい場所で、頑張んなくちゃ。

私は、毎日和くんの匂いを 抱きしめながら眠りについた。

この匂いが………薄れる前に、必ず来てね。

そ―思いながら、私のこの場所はいつも和くんで溢れていた。

離れてても、2人の居場所は……………お互いの心にあった。

-和side-

さ―て、陽菜を………追っかけるとするか。

この家も………さよならだな。

陽菜に会ったら、真っ先に抱きしめよう。

誰にも、奪われないように 逃がさないように

ちゃんと、つかまえとかねぇ―となっ。

あ、そろそろ くん付けも やめてもらおう………

そして……………ケジメ、つけないとな………

俺の心にはいつも、陽菜がいる………これからもずっと………

『和くん……………』
 

………やべぇ―、幻聴が聞こえるなんて、俺はよっぽど陽菜の事好きなんだな。

  

………永遠に……………俺の居場所は、陽菜の隣なんだ………

        おわり

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