恋の居場所 #72(妄想小説…二宮和也)
陽菜 「だからって…………。 潤くん、ひどいよ。」
私は、この部屋をでて……………この家も出て、外へ走っていった。
私の足音が………静かな山に響く。
その音に重なる音…………………潤くん?
追いかけて来たの?
私は、涙を流しながら………そのまま走った。
けど………………腕が………捕まった。
その場に立ち止まるしかなかった。
潤 「陽菜……………ごめん。」
陽菜 「謝ってもらっても、嬉しくない。」
潤 「ホントに、好きで好きで………たまんないんだよ。」
陽菜 「……………」
潤 「俺だって、出来る事なら………忘れたい。
陽菜の事……………諦めたつもりだったのに………」
私を掴んでる腕を、グッと自分に引き寄せ、
優しく抱きしめてきた。
私は……………潤くんの胸で、静かに泣いた。
片方の手で、私の頭を撫でる。
私の頭も………身体も………全て包み込んで、
潤くんの身体に力が入った。
何分経っただろう……………。
怒りの気持ちから………申し訳ない気持ちに、変わっていった。
諦めようとしてくれたのに………無理だった?
この人は………私が、必要なの?
それとも………中途半端に一緒にいるより………
離れた方がいいの?
私は、潤くんの中から、上を見上げた。
陽菜 「私に……………ど―して欲しい?」
潤 「えっ………」
陽菜 「潤くんは………私といると、苦しいの?
私といると、辛いの?」
潤 「イヤ………それだけじゃないけど………。
正直、そ―思う時も………ある。」
陽菜 「やっぱ………そ―なんだ。」
潤 「でも、1番は………陽菜の笑顔を見てる時が、
すっげぇ、幸せだよ……………。」
陽菜 「じゃあ………泣いてるのは………?」
潤 「……………ごめん。 それは、今、よくわかった。
陽菜が泣いてると、俺も悲しいよ………。」
陽菜 「潤くん………、ど―すればいい?」
潤 「言えば、いうこと聞いてくれんの?」
陽菜 「……………」
潤 「じゃあ聞くなよ。 ど―してほしいか、わかるだろ?」
陽菜 「……………」
潤 「取りあえず、風邪引くから………戻ろうよ。」
陽菜 「………………うん。」
私と潤くんは、走ってきた道を
ゆっくり歩いて帰っていった。
家に入ると、瞳ちゃんが寝ていた………けど………
「2人で……………どこ行ってたんだよ…………………」
つづく